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グラビアに見る女の顔には、白黒写真で見るような輪郭といったものが感じられない。自分の中にあるはずの内面と外面の区別が見られないのである。それは精神の、自己と他者を区別する境界線である。それが見えないのである。タマシイが見えない。そうした作りものの、実体のないマボロシのように見えるのである。 自己と他人を区別するものがなく、そうした目印しや印象といったものがどこを探してもなくて、自己意識といったものがまったく感じられない。また、警戒心といったものがまるでない。彼女の心の中へは出入り自由なのである。だれに対しても無差別に開いたままである。トビラもカベもない。こうした彼女の精神の部分、仕草やポーズ、顔の表情といったものが、何か実体のない幻に見えてきてならないのである。 毅然(きぜん)とした態度。それがたとえどんなことでもかまわないが、決して絶対に譲れない、そうした個性というか自分の証明みたいなもの、自分が自分であることの意志といったものがまったく感じられない。タレントだから仕方がないのかも知れない。「人格」が商品で、ペットみたいなものだから。 |
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