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彼女の心の中といったものが、いつも開けっぴろげで、だれでもが出入自由なのである。トビラもカベもなく、鍵もなく、いつでも誰でもどこからでも出入自由なのである。それがフツーだし、当り前だし、だれもがそうだし、少しも不思議に思わないし、いままでも、これからも、ずっとそうであり続けると思い込んでいる。というよりも、それがあまりに当り前すぎて、そんなことすらも、ちっとも気にならないのである。 しかし、これではやはりオカシイし、どこか狂っている。人間の本性に反する。まるでペットか家畜、奴隷の世界だ。このような世界では自分というのが確かめられず、見失ってしまう。 自己喪失というのが純粋な形で現れてくる。現実の物の豊かさが、精神の内面を見えにくくしている。それが、自分のなかでカタチとして見えてこない。自己の魂といったもの、祖先の精神を見失なっている。自分の心が、どこかで切断されて忘れられている。自分が確かめられず、自分が自分でなくなっている。 |
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