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物体が、他の物体に落とす「影」と違って、落とす前の、物体そのものの表面に映し出される「陰」といったものが、間接(環境)光だけだと、非常にぼんやりしているのである。模様や、明るさや、色の濃淡といったものが、どこかとらえどころがなく、何か非現実的で、なぜかぼんやりしていて、まるで何もかもが眠っているように見えるのである。そうです。まるで、夢の中の世界を見ているように思えてくるのである。 たしかにその通りで、間接光だけだと物体に「影」がなく、物体とその周りの境界線が、おしなべて同じ線に見えてきて、あるいは「線」そのものがなく、まるで、生きている現実のようには、見えて来ないのである。やはり眠っている。なにか閉じた空間、自分だけの世界を見ている。潜在的で、観念的な、無意識の世界を見ている、そのように思えてくるのである。 |