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2、水蒸気。



夏に景色がにじむのは、空気中に湿気が極端に多いためである。数字上の湿度は同じでも、それに含まれる湿気(水蒸気)の絶対量は、夏と冬とでは、二倍をはるかに超えている。数字の上には現れないが、湿度(水分)といったものは、空気の温度差によって、それに含まれる水分の量が極端に違ってくるのである。

飽和水蒸気自体が、温度によってその飽和量が絶対的に違ってくるのである。湿度は、度数・度合いという相対的な目安を示しているが、空気中の水蒸気自体は湿気という、湿度とは別の絶対量で表される。

だから、たとえ数字上では同じ湿度数であっても、仮に、気温が10度違うと、それに含まれる水分の絶対量は、二倍近く多くなるのである。20度違うと4倍である。こうしたことが、夏を蒸し暑くし、耐えられないものにしていて、同時にまた、景色といったものを、厚かましいくらいに、輪郭のはっきりしたものに見せているのである。

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