index < 日誌 < 2018 < 12-「歴史」


 
1、方向性。



ヨーロッパの歴史上、およそ、18世紀前後は、近代国家の生成過程であり、21世紀は、近代国家の、変態ないし衰退過程であるとすると、18世紀は近代国家を始める前であり、21世紀は近代国家が完成した後の世界である。

どちらにも共通点がある。どちらも近代国家であるが、どちらも中途半端な状態で存在しているという点である。完成した状態でも、または、なにもない初期的状態でもなくて、中途半端な状態にある、ということである。前者は、国家であろうとしている状態。後者は、国家をやめようとしている。だから本来、その本質からいうと、まったく正反対なのである。

しかしながら、これを歴史の流れから切り離してその断面だけを取り出してみた場合、まったく、訳がわからなくなるのである。生成の時なのか、消滅の時なのか?判断がつきかねるのである。

だからもしもそれを、確かめようとするならば、前後の時間の流れの中で確かめるしかないのである。歴史とは、このことなのであって、時間(歴史)から切り離された現実の世界は何のことかわからず、それだけでは意味がないのである。

前後の時間の流れの中でこそ、現実とその方向性が見えてくる。現実は方向性を持つのである。それが歴史なのである。そうやって世界はすでに定められ、方向づけられ、規制されているのである。そうした必然の関係性が、文化の型式、様式として現れている。


 戻る。              続く。



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