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見るもの聞くもの触れるもの、感覚が何かを感じている。そして、それら感じているものがいったい何であるか、などといったことは、感覚にとってみればどうでもよいことであって、ただ何かを感じている、感じているということ自体が大事なのである。それが感覚にとっての、
唯一の関心事なのである。ただそれだけで十分で、ただそれだけがたのしく、そしてシアワセなのだ。 それがいったい何で、どこからやって来て、どういうわけで、などといったことは、感覚にとってはどうでもよいことであって、関係のないことなのだ。ただ「感じている」ということ自体が、感覚にとっての唯一の関心事なのである。このような肉体の感覚自体が持つ衝動、あるいは本能や指向するところといったものが、「情緒」といったものの実体ではないだろうか。 |
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