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3、錯覚。



雲のしろ色、雪のしろ色、モヤとか霧のしろ色・・・・・・。それらに共通するのは、「水」である。それ以外にも、白い車、白い冷蔵庫、白い家・・・。しかし、それらはすべて合成ペイントの色であって、ここでは無視する。

その他 、しろ色のまぶしさというのもある。輝きもそうである。太陽の光の色も白だ。赤ではない。その太陽の、直射日光の反射面、ガラスや金属や、水面が反射する色も「白」だ。それは光輝くまぶしさの色なのだ。

夜に見る街灯のまぶしさ。暗いトンネルを出たときのまぶしさも白だ。それらに共通するのは、なにか届かない世界だということである。あるいは届いてはならない世界であって、だからこそマブしくさせて見えないようにしている。もしかすると、見てもならず、見えてもならない現実がこの世界にあるのかも知れない。

現実の中に見えているのに、何か異質な、別の空間のように思えてくるのである。しかも、それがまぶしく、めまいがするというのは、それが異なる世界への出入り口、ゲートのように思えてくるのでる。

空間が歪んで、きしんで、裂けている。渦巻いて、なにか模様が見える。まぶしいというのは、感覚的にも、生理的にも、そうした何か非日常の場面、現実を透過して、限りなく接近して透けてしまった。そうした、現実の外の、向こう側をかいまみる瞬間なのである。だから、なにか言い知れぬ異和感というか、その瞬間、自分が見知らぬ別世界に迷い込んだような、錯覚を覚えるのである。

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