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2、鼓動。



まぶしい。限りなく美しく、まばゆいほどに光かがやいている。一瞬、ほんの0.05秒くらいの瞬間、永遠の夢を見ている。まばゆい光のなかで。真っ白な、純粋で透明な果てしない永遠の世界である。カラダが固まって息が詰まり、めまいがして、自分の心臓の鼓動の音が聞こえる、と思えてくる。実際に心臓の鼓動の音だったのかどうか、自分でも分からない。確かめることもできない。しかし、やはりそれと似た音が自分の中から聞こえて来る。

これもまた、白色(しろいろ)なのだろう。そのなかで自分が溶けて同化して、消えている。自分と外の世界との境界がなくなって、そんなことは、もうどうでもよくなって、自分と世界とが同じものになっている。光かがやく天使に誘われて、永遠の世界をさ迷っている。夢の中で。しろ色とは、現実を透過したアチラの世界の色なのだ。夢と現実が倒錯し、入り混じり、出たり入ったりしている世界なのである。そうしたあるはずのない、非現実の世界なのである。

戻る。            続く。

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