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なにも変わらず、なにも起こらず、混沌としていて、ケジメのない、同じことが繰り返されるだけの、気ままな偶然だけが支配する世界。こうした世界では時間の概念がない。いまだそれ以前のカオス(混沌)の世界である。 目覚めたままで目を閉じると、目の中に、白と暗い灰色のマダラ模様が見える。常に変化の中にあって、現れては消える幻のような世界である。ただし、なんの形にもならない。いつも揺れ動き、消えては現れる無意識の世界である。だから、現実にあるような何かのカタチにはならないのである。 そしてそれが、固定するということもない。いつも揺らめいでいて、現実との接点を探し求めて、さ迷い続けている。いったいそれが何なのか、自分でもわからないでいるのである。そうした閉じた心の中の、得体の知れない正体不明の世界、そうした日々。 |