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2、二者択一。



色はない。あるのは白と黒の違いだけである。YesかNo、有るのか無いのか、見えるか見えないのか?だけの、二者択一の世界である。目に見えるものの個性といったものが失われている。その中身と実体といったものが消えている。光と陰の濃淡、そして色彩といったものが無いのである。

だから、何かを見ているということはわかるのであるが、はたしてそれが何なのか、というのがわからないのである。そしてそれ以前に、それは形というのを持たないでいるのである。表面のない、線だけの世界である。

反対にいうと、それが何なのか自分でもわからないから、色も形も持ち得ないとも言える。そうかも知れない。それは目に見える外の世界を見ているのではなくて、自分で、自分の目の中を見ているのである。

だから何も見えるはずがないし、もし見えたとしても夢か幻覚でしかないのである。だからそれは、カタチも色もハッキリしないのである。にもかかわらず、明暗の違いだけはハッキリと識別できる。やはりなにかを見ている。はたして何を見ているのだろう?

戻る。            続く。

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