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10、情緒の世界。



情緒というものは、たしかに個人的なものでもあるが、現実に生きて暮らしている場面から見ると、まさに社会的な情緒であって、いいかえると、それぞれの社会にとっての情緒である。地理的・歴史的概念としての情緒である。

それは、そうした地理的、歴史的環境のなかで、そしてまた、そうした風土的条件のもとでのみ成り立っている。風土と一体となった、風土そのものと言ってもよい、そうした生理と感覚の感じ方、そしてその情緒のあり方、条件といったものではないだろうか。

人間自身の、意識以前のところで、意識されることない無意識のままで、情緒が人間を支配しているのである。そうした意味で人間は、意識の届くことのない「情緒」の世界を生きているのである。

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