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1月。早朝からボタン雪が降っていて、遠い空のかなたから雪が落ちてくる。ただよいながら、ふわふわと。まるで、夢のカケラのように。手のひらで受けると、すぐに溶けて消える。やはりこれは夢のカケラだ。そして夢は、この手にふれることなく、ずっと夢のままで永遠の世界を生き続ける。 空はどんより曇っていて、少し暗い。この灰色まじりの薄暗い感じが、1月の情景なのである。それは、いつ晴れるとも知れない、そうした、暗さ、陰鬱、内指向の閉じた世界である。 そうするしかなかったのである。寒さでなにも出来ず、外の自然も閉じて眠ったままの世界なのである。だから、内にこもってじっと待つ待つしかないのである。それ以外に仕方がないのである。 |