index < 日誌 < ak春< 「続、早春」p7/ |
早春の明け方は、まだ底冷えのする寒さが残っていて、身体も心も萎縮するような冷たさである。そして午前中、急激に温度が上がってきて、明け方と日中の温度差が極端である。春のなかごろまでなると、明け方は、確かに寒いし冷たいが、底冷えするところまでいかず、むしろ、身体が引き締まってくるような冷たさである。 まだ少し冷たいが、それは身体を外へ向かって開き緊張させるような、そんな、何かの行動へと誘うような、そうしたクールというか、新鮮で溌剌としたすがすがしい冷たさである。というのは、いまだ少し寒く感じる冷たさというのが、すぐにも消えていって、しばらくすると暖かい陽気がただよう、というのを身体が知っているからである。そうした心とカラダの変化というのを、カラダは知っているのである。そうなってしまうのである。 もちろん、外の空気は依然として冷たく、そして太陽の当たる部分だけが、特に暖かく感じられるのである。しかしそれも昼前になると、むしろ暑く感じられるぐらいである。空気もすがすがしく気持ちがよい。これが春の日の早朝の心地よさというものである。言い知れぬ予感と、ほのかな希望を抱かせる、そんな冷たさ暖かさなのである。 |