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13、規格外。



自分から進んで、周りに助けを乞うことは非常に少ない。外国人から見ると、あまりに周りに気を使い過ぎている。だから反面、こうした内向的な情緒が行き着く先は、心中や腹切り、集団自殺(玉砕)という、外国では見られない特異な現象が、最後に起きる。

このようなプレッシャーというのを、自分だけで心のなかにしまい込もうとするのは、日本人だけの特異な性質で、その心の仕組みと動きの独自のあり方を示している。それは中国人にも朝鮮人にも西洋人にも無い、日本人だけが持つ心の「あり方」である。

もしかすると「島」という、地理的にも、歴史的にも、閉じた世界がそうさせるのかも知れない。島国日本には、大陸におけるような辺境というのがなく、異民族や規格外の者、あるいはまた、オキテの外の人間がが生きて行ける余地がないのである。地理的・空間的にも、社会的・文化的にも、そしてまた、肉体が生きてゆくための職業においてもそうなのである。それでも、自分を貫こうとすれば、死以外にないのである。

歴史的にも敗者(異分子)は、自分から進んで「いさぎよく」自分をまっとうするのが恒例となっている。サクラの花びらのように、美しく死に望むのである。

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