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1、しろ色。



黒くて暗い色は、他の色を闇のなかへ引きずり込んで呑み込んでゆく。宇宙空間がそうであり、死の世界でもある。色そのものが無い世界である。その反対が、しろいろ(白色)なのである。生の世界である。

白色は明るい。黄色ほどではないけれども、明るく優しく、そしてすべてを、そのままの色で、わけへだてなく包み込み、照らし出す。これが春の空気の色である。夏は黄いろ。秋は灰いろ。冬は青いろ。そして春が白いろである。季節によって、大気の空気の色が微妙に異なるのである。

それと気づかないくらいに、非常に限りなく薄い色ではあるが、大気中の空気の色が変化している。そして、この空気の色が世界を包んで支配している。それは、遠くの景色と、近くの景色を比べて見ると、それとなく察しがつくし、見た目にもすぐに識別できる。

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