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2、普遍的な色。



しろいろ(白色)は、ある意味で普遍的な色である。すべての色を、その本来の色のままで包み込んで、そして溶かして同化している。すべての光源の色を、まんべんなく混ぜ合わせた色である。すべての色を合わせたのがシロ色であって、この白色と比べて始めて、その本来の色が見えてくるのである。

色というのが、そのままの色で、まわりに溶け込んでゆく。昇って華となって同化して消えてゆく。地上のすべての色が混ぜ合わされ、そしてこれを全体として見た場合、これが光源としての白色なのである。だから、しろ色というのは、普遍的というか、無差別というか、どんな色に対しても公平で、その本来の色のままで活かしきるのである。

内から外へ出て、昇って行って、広がって、なじんで同化する。そして、すべての色が集まって、いつのまにか白いろと同じ色になっている。そんな、どんな色にも共通する普遍的な色が、白いろである。このシロ色の空気とともに春が訪れる。春は白いろなのである。シロ色とは、すなわち、光りの中を見ているのである。

戻る。             続く。

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