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9、音色(ねいろ)。



このような、変化と移ろいの世界を人間は生きている。これが、ここに生きている人間にとっての、暮らしとカラダのリズムなのであって、体内を流れる血の流れでもあり、そしてまた、外の現実世界や四季の移ろいとの相互交流・アンサンブルなのである。それらが、ともどもたがいに反応し、揺れてきしんで、ひびきあい、コダマし、共鳴しあい、新たなそれまでに無い音色を生み出しているのである。

しかし、こうしたことが人間にとっての「情緒」ではないだろうか。そうしたつながり、一体感といったもの、連続性といったものが、どこかで切断され断絶している。自己の同一性、人格や個性といったもののケジメが無くなって、あいまいになって、どこかで溶けて消えてしまっている。自分が見失われている。喪失している。

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