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2、かすかな予感。



しかし、それは理屈の上ではあり得ない。どこまでも同じ色が全体を覆い尽くし、それがずっと変わらずにいるとすると、色として感じられなくなるからである。それは、もはや「色」でなくなってしまうからである。

色としても、形としても捉(とら)えることの出来ないもの、それはもはや映像とは言えず、それとは何か別のものになってしまう。それでも何かを感じることが出来るとすれば、それは視覚とは、なにか別の感覚になってしまう。

だからそれは、たとえハッキリと見えていなくても、そうした色と形(かたち)を少なくとも予感させ、暗示し、たとえ微かではあっても、それへと導き、誘うような何かがその中に示され、感じられるような「何か」がなければならない。まさにそうした状態、そうした見え方や感じ方といったものが、「ぼやける」という意味ではないだろうか。


戻る。             続く。

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