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外の現実とは異なる意味で、私たちは、自分の精神の世界を、その内的必然性や原理、秩序のあり方やその規則性、自律性などに見ることができる。それは目に見えない、観念的で抽象的な理屈のようなものではあるが、それでもハッキリと確かにそれと感じることが出来るものである。輪郭も、形も、動きも、それぞれに予測できるし、観念的に筋道をつけて辿(たど)って行けるものでもある。それは確かな形(かたち)と、他の精神と明瞭に区別される輪郭と境界線を持っている。 それぞれが独特の音色(ねいろ)とか諧調、それに、リズムや抑揚を持っている。それは単に、論理的な思考として捉(とら)えられるだけでなく、情緒的な感覚、捉えどころのない意識せざる感情のあり方としても感じ取り、明らかにすることが出来るものである。 それは現実の世界、すなわち、それが生まれ出て来た歴史や自然環境と密接に結びついたもので、そこから生まれ、そしてそれが「型」となったものである。従って、そうした意味でそれは現実と同じものと言わざるを得ない。現実の世界が観念の世界に投影されたのである。それが、自らが生まれ出てきたところの背景であり、条件であり、下地や土台となっている現実の世界なのである。 それは、他者と区別される内的必然性及びその自律性、そしてその精神の犯すべからざる領域といったもので、他者と区別される明確な境界線と、個性的なすがたを持っている。 |