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春の陽ざしの暖かさから立ち昇ってくる、川辺のモヤ(靄)とか、山野に満ちてくる水蒸気のうすぼんやりした情景もそうである。 世界全体に、地表面と空全体に、しろ色が薄く混じっている。これが春の空気の色で、春の日々の背景の色である。これをキャンバス(下地)にして、そこから目に見える世界というのが映し出されている。まるで水彩画の世界である。 なにかが心の中で満ちてくる。世界全体が薄ぼんやりした光の中で、やさしくおだやかな暖かさといったものが、ゆるんで開いて満ちてくる。 まだ冬の寒さが残っているのが、かえって、身を引き締めて、暖かさのありがたみというものを、自分のカラダ全体でかみしめている。そしてそれを、心のなかで強くそう感じさせるのである。 |