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それが何なのか、わけもわからずぼんやりしていて、おぼろげで、それでも何かを求め探し続けている。そうやって自分を生み出し、自分を確かめ、自分をあらわにして、そうして外へ出ようとする精神の衝動である。あるいは、追い立てられ行き場を失くした精神が、その張り裂けた傷口から何かを押し出しているのである。 だから春のカスミはボンヤリしていて、なにかを隠したままで、そしてやがて晴れて来て、めざめたばかりの生命がカタチとなって、姿となるのである。それが世界を、色と光の明暗として表現するのである。 光の明暗とは、世界のカタチであり、そしてその色とは、カタチの質であり個性である。それは、生命の証明なのである。生命なきところに色は限られ、そしてそれ以前に、人間の見え方そのものが、そのように限られてしまうのである。 |
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