index < 日誌 <ak春 < 「春カスミーB」p4/


 
3、自分のすがた。



春カスミのシロ色とは、つまり、水蒸気と光の色なのである。そして、それで世界をおおい尽くす、暖かくおだやかな空気の色なのである。それは生命の色である。世界全体が生命の色で包まれて、そのなかで光が広がり乱反射を繰り返し、影が消えて、光がその方向性というのを消失してゆく。これが光の中という意味である。

光が自分のまわりの世界全体にこもっていて、外から入ることも出ることもない状態である。つまり、閉じた世界なのである。うすぼんやりした白いカスミの中に世界がつつまれている。そして、その先の外の世界というのが、あいまいなままで隠れているのである。

こうした状態は、その感じるままに直接に表現すると、自分の精神の世界そのものである。めざめて、そしてよみがえる、そうした自分のすがたそのものなのである。


戻る。             続く。
 

index < 日誌 <ak春 < 「春カスミーB」p4/