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3、現れ方。



「異界」。それは様々な現れ方をする。しかし、いづれの場合も情緒の変異を通して現れている。

1、 感覚の境界線上。肉体の制限とそれが持つ指向性との対立として現れる。
2、 感覚の境界線を越えた世界。未知との遭遇。
3、 感覚の境界線はそのままで、自分が変わった場合。
    境界線を無視して別の次元から世界を見ている。自分が他人のように思えてくる。

1、
感覚の境界線上、感覚と非感覚の境界がボヤけた、あいまいな中間地帯。言い変えると、肉体の記憶。ないし、それが指向性として求めるもの。情緒的なもので、情緒に変異があった場合である。

2、
非現実・非日常の、自分の外にある未知なるものと遭遇した場合。とまどい、おどろき、ためらい、迷う。未知なるものの意味と理由といったものが、つかめずにいる。つかめないから未知なのである。そうした心の迷いが、混乱した場違いな印象として表現される。

自分でもわからないものを表現できずに、錯乱し困惑し、ためらい戸惑っている。それが何なのか自分でも分からない状態である。だから驚き脅威を感じている状態である。わからない、知らないとはこうした状態である。ここからさらに進むとよりハッキリした方向性が示される。恐ろしさ、憂い、悲しみ、喜び、楽しみや愉快と安堵といった感情となって現れる。要はそうした感情以前の情緒の世界だということである。

3、
現実は何も変わらないのに、自分の中で何かが変わってしまった場合、この場合、見るもの聞くもの触れるもの、すべてが以前とは全く別の意味と理由を持つものとして関係してくる。そして自分に迫ってくる。すべてが新しく鮮やかで、まるで以前とは別のもののように見えてくる。また、そうした自分が別人のように感じられてもくる。


戻る。              続く。

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