| index ＜ 日誌 < ar象徴 ＜ 「象徴の世界」p10/ |
| 麗（つるわ）しき春の情景の、薄白き空気の色は、空気中をただよいながら人間を包んでいる、水蒸気の潤いの色である。 モヤ、カスミ、キリは、どれも空気中を漂う水蒸気のことで、いわば、薄雲が地上に降りて来たようなものである。そしてこの、水蒸気の濃淡でもって、モヤと、カスミと、キリに分類される。モヤ（靄）が最も薄く、まだ遠景がかすかに見える。 カスミ（霞）は中間で、遠景が見え隠れする。そしてキリ（霧）が最も濃く、近くの景色でも消える。 キリは日没直後か、夜明け前後によく見かけるが、キリは一時的で局地的なもので、2,3時間もするとたいていキレイに消えて晴れる。しかも、発生の時間帯というのが限られていて夜明け前か日没前後なので、太陽の光そのものが弱く、シロ色のキリにはならず、たいていうす灰色で、たまに春か夏の早朝に白っぽい霧になる。 |
index ＜ 日誌 < ar象徴 ＜ 「象徴の世界」p10/