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2、「空気」。



光も、ニオイも、肌に触れる感触も、それは空気を透して、空気のなかを、空気がはこんでくるのである。人間は呼吸をしていて、空気なしでは生きられず、空気の中で生きている。

空気の重さや暗さ、あるいは反対に軽さや明るさ。それに、優しげで穏(おだ)やかな感じ。あるいは、いかめしい、とげとげしい空気の感じ。空気には、そうした、心理的で情緒的な雰囲気がただよっている。

胸の苦しさやつらさ、それに、わくわくするようなときめきもある。鼓動する心臓の音色や、体内を流れる血液のリズムや、抑揚もある。あるいは、自分だけでなく、まわりの他人との関係でも感性や情感といったものが、集団的呼吸のアンサンブルとなって伝わって来る。気分や雰囲気、気持ち、心情といったものもそうである。以心伝心、暗黙の了解、「あ・うん」の気合としてもそうである。


戻る。             続く。

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