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3、夜。



これが感覚の感じ方、雰囲気や情緒、空気の色とでもいったものである。人間と「物」とのあいだに空気があって、空気がそれを人間に伝えているのである。

自分の外の、現実世界での物言わぬプレッシャーや衝撃といったものも、単に見える物理的な衝撃としてだけでなく、自分の身体(からだ)の中の、生きた生理的な衝撃としても感じられてくるのである。心理的で情緒的な息苦しさや圧迫感、胸の苦しさや、心臓を圧迫する痛さとしても感じられて来るのである。

それは、場の空気を押し殺した呼吸の苦しさとしても、視界がまぶしくなって見えなくなる目眩(めまい)や、心臓を圧迫する動悸(どうき)の息切れとしても表れる。これらは自分自身の体内の、神経と生理作用の混乱と圧迫であって、心理的なプレッシャーとしても感じられてくる。そうしたことが「空気」の重さや暗さとして言い表され、そのように感じられても来るのである。


戻る。              続く。

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