index < 日誌 <af必然< 「言葉」p7/ |
始めに言葉(コトバ)があって、後から文字が入って来ている。まず言葉があって、それを伝える必要から文字が作られたと考えられる。日本の場合、それは漢字という表意文字である。文字は音ではなくて意味を表わすのである。クチとシタだけでは表せなかった、様々な微妙なニュアンスが漢字によって表現できるようになった。 例えば「カゲ」は、光に照らされた物の表面に出来る陰(カゲ)と、照らされた物が、他の物に落とす影(カゲ)とに、意味が分かれることになった。同じ「カゲ」という発音でも、その表記の仕方によって、意味が違ってくるのである。例えば、発音だけで表記する英語では、それは「シャドウ」といって、陰と影の区別がない。 また、仮に日本語の「ひらがな」で表記しても、陰と影と蔭と翳の区別のしようがない。だから、本来の日本語では、それは同じ意味で使われていて、漢字が入ってくる前は、区別されることなく使われたのだと思うのである。陰と影の同じ日本語の発音がそれを示唆しているのである。 |