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そしてこのとき世界は、僕が生きている現実は白(しろ)く、そして明るい。太陽の光はすべての角度から、僕のすべてを優しく包んで映し出している。シロいキリが光を無限に乱反射し押し広げて、交錯しながら散らして、すべての角度から自分を照らしているのである。従って影が消えている。 やがて、しばらくすると気温が上がり、キリが晴れて明るくなる。自分の外の現実の世界が見えてくる。まずは形として。そして、様々な色を伴ったものとして。 形は輪郭であって、色の濃淡、明るさの強弱の境界線として見えてくる。そしてこの色の様々な違いは、形の中にある個性がその表面に現れたものである。だから、色は個性なのであって、線で表現される明暗の境界線は、世界の形、輪郭なのである。 それは自分にとって見れば、開かれた、晴れた現実なのである。内面の、閉じこもっていた世界から、昇って行って、開いてみせた、自己の内面の世界なのである。 |