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4、未知。



自分は何にでもなれるし、どんなことでも出来る、それが夢の世界なのである。はてしのない、どこまで行っても限りのない、一人ぼっちの孤独な世界である。世界は自分だけのもの、もしくは自分しか存在しない世界である。

このような夢の世界のなかで、イメージというのが、いったいどのように生成されてくるのだろうか? 無意識の何もないゼロの状態から、いったいどのようにして映像が現れてくるのだろうか。

それは、何かを見ているのではあるが、それが何かというのが、けっしてわからない状態。自分のなかで、何か自分とは区別されるもの、別のもの、わからないものを見ている、というのはわかるのではあるが、それがいったい何なのか自分でもわからない、そうした状態なのである。

だからまた、わずらわしく、もどかしくて、うっとうしくなるし、気にもなって仕方がないのである。そうして、それを確かめる方向へと向かってしまうのである。何か自分にとって、見知らぬものを見ているのである。

それが自分にとって見知らぬものであること、自分とは別のものであるということ、そしてそれは同時に、そのようなものとして自分が自分を見ている、ということである。そうやって、自分で自分を理解し、生成していて、そしてそれがいったい何であるかを、自分で確かめて行かなければならないのである。


戻る。             続く。

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