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4、情緒。



似たような現象としてカミナリと火災がある。これもまた、日本列島の自然条件から直接にもたらされる。カミナリが多いのは、湿気が多く、地形が複雑で、さらに、四季の関係で気象条件の不安定な時期が多いのである。日本列島自体が寒帯と熱帯の狭間、大陸と海洋の境い目、のみならず地下においては、プレートの境界に位置している。それは著しい四季の変化にも現れている。

本来、人は集落を形成して集団で生きることが多いのであるが、その家屋の特徴が、日本では、非常に燃えやすく延焼しやすい材料で出来ている。つまり、木と藁と紙で出来ている。湿気の多い日本列島の気候条件から、湿気を和らげる木造りの家屋が好まれたのである。そして木材が豊富にあったのである。

そして、先ほど述べた「紙」であるが、これは襖(ふすま)と障子(しょうじ)のことであるが、それはむしろ、日本人の家族のあり方に深く影響している。湿気が多く、空間が狭く、気候の変化が著しいのである。そしてまた、生存の様式としての稲作というのが、この著しく変化する気候と自然条件に依存しているのである。ここからまた、そこに住む人々の暮らしや気質、情緒といったものも理解されるのである。


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