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このような、それまでの行きがかりや執着を捨てて、もう一度ゼロから始めようとする。そうするしかない。何もかもが、それ以外の生き方を出来なくしている。そうした、残された現実的なただ一つの道を歩むのである。そして、そうした巨大な不可抗力、人間の力ではどうにもならない自然の猛威に対しては、人間は成す術がないのである。これが日本列島の現実なのであって、その歴史的・地理的条件なのである。 そして、それが毎年、定期便のようにやって来るのである。それも、いつ、どこにやって来るのか、まったく予測がつかない。それは、突然やって来て、一瞬にして何もかも破壊し尽して、そして、すぐに消えてゆく。なにごともなかったように。 後に残るのは、無残な破壊の後だけである。一過性、突発的、予測不可能で、そして、壊滅的なのである。それはまた、この日本列島に生きる者にとっての宿命なのである。誰もがここに生まれた途端、背負わされる、逃げることの出来ない宿命、現実そのものなのである。 |
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