index < 日誌 <q他人< 「異人種」p9/


 
8、リズム。



それは、自然な心のありさま、気持ちや気分、自然な心の移り変わり、心情や情緒の自然なありさまといったもので、自分ではどうにもならないものなのである。僕の身体(からだ)、僕の血液や筋肉、内臓や骨格、それに、目や、耳や、触覚。そしてそれらを統合する神経や生理作用のリズムとパターン(型)。

要するに、僕の身体の仕組みとリズムが、そして僕自身というのが、もともとそのように出来ているのである。それはまさしく僕自身であって、僕のものなのであるが、自分自身ではどうにもならないものなのである。

逆らうことも、抵抗することも、逃げることもできない僕自身そのもの、あるいは僕とはまさにこのことだからである。それは宿命とかサダメ、持って生れでた先天的な運命とでもいうべきものである。あるいは生まれる前から、僕の体内のなかで事前に設定されていた条件なのである。

そうやって僕は、自分自身を意識することが出来るし、自分を感じることも、自分をたしかめ、見ることもできるのである。自分の心の中が見えてもくるし、おぼろげながらも自分の理由といったものがわかってくるのである。そしてそれは、自分が他人だからこそ出来ることなのである。


戻る。              続く。

index < 日誌 <q他人< 「異人種」p9/