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7、めざめ。



生きている現実というのが、その生き方や感覚や、生活のリズムといったものが、それまでとは、まったく別のものとして自分に迫ってくる。新たな別の意味を求めて、迫り、立ち現れている。

今まではただ単に、わずらわしく、しらじらしく、わざとらしく、何もかもがヤラセの世界だったものが、それとは全然別の、異質な、新しい別の意味をもって自分にせまってくる。

現実というのが、外の自然や、あるいは自分自身の感覚や生活といったものが、それまでとは全く別の意味を持つに至ったのである。あるいは、それまで気づかずに見えなかったものが、見えてきたのである。自分にとって直接の、本当の意味がである。

習慣や、情緒や、常識は、そしてまた、自分が生きているということは、外からの権威の押し付けではなくて、自分自身が生きていることの表明なのであって、自分自身の精神の中で反省し、了解し、知り得たものでなければならないのである。つまり、自分自身というものの表明であり、個性であり、そしてまた、自己の人格の承認を求めているのである。そうやって精神は、自分自身にめざめたのである。


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