| index ＜ 日誌 <g自己分裂＜ 「迷信の世界」p3/ |
| 自分が社会のヨソ者、別世界の住人のように思えて来て、そしてそれ自体が、社会と自分自身を否定することになる。この世のだれからも、疑惑の目で見られかねない。 事実そうだった。今、思い返して見ると、実際、たしかにそうだった。学校の先生も、上司も、警察も、みなそうだった。どこか訳のわからない、何を考えているのかもわからない、みんなと違うことを考えていて、それを隠している。ということは何か絶対に悪いことを考えているに違いない、といったふうにである。 だれもがみんな、そうやってグルになって、群れて、媚びてもたれ合っている。プライバシーなどない。プライバシーなどあってはならないものと思われている。相手の心の中を見えなくするし、自分と他人の間に壁を作って、社会全体をバラバラにして、わけの分からないものにしてしまう。 自分と他人との間の人間関係を破壊してしまう。自分と他人を別々の世界に隔ててしまう。だから、プライバシーも人格も人権も、無い方がよいのである。表面上はだれも人権を重んじるが、心のなかの無意識の世界では、まったく正反対のことを考えている。 それは理屈とか意識というよりも、むしろ、情緒である。意識せざる感覚の感受性や生活のリズムがそうなのである。そうやって子々孫々ずっと生きてきたのである。理屈や言葉だけでは、どうにもならない無意識の習慣や思い込みの世界を生きてきたのである。自分の身体の生理や神経が織り合わせられた、生活のリズムと情緒そうなのである。それは、自分の中にあって、自分ではどうにもならない世界なのである。 |
index ＜ 日誌 <g自己分裂＜ 「迷信の世界」p3/