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例えば政治政体などは、民主制・専制・共和制・君主制などに区分されるが、その区別はあくまでも形式的で外見上の区別であって、しかし、本当に問題になるのはその内容と実体なのである。それを構成するそれぞれの要素が、いったい、どうなのかということである。 論理やカテゴリーの上では同一であるように見えても、それはあくまでも見る側の都合から見ているのであって、現実にあるその実体は、それぞれがまったく別の異質なものだということである。それぞれが歴史的にも地域的にも異質な世界だということである。それぞれの民族、それぞれの人間というのが、異質な個性の持ち主だということである。 そうして見ると、同一の民主制でも、古代と現在とでは直接の比較は不可能である。それは全く異質な次元の異なる世界だからである。現実に生きている世界の常識が根本的に違うのである。そこで生きている人間そのものが、まったく異質な世界の住人だということである。 |
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