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現実にあるものでもなく、あるいは意識の中で知っているものでもなくて、それ以前の肉体の感覚そのものが呼び覚まされているのである。無意識の、意識の届かない世界なのである。自分自身の根源的な衝動、または本能とでもいったものである。 言葉や意識以前の、感覚だけが知る、感覚そのものの世界なのである。現実世界に対して意識が成立する以前の、根源的な衝動の世界なのである。自分自身の存在の根拠の淵源(えんげん)なのである。魂(たましい)と言ってもよいものなのである。 そうしたことが、影やシルエットとなって見えてくるのである。または、それが「見えた」と思えてくるのである。だから、こうしたことは、すこぶる正常な感覚なのであって、そうした自分自身というのが強く問われているのである。そして、分裂した精神の世界にあって、自分自身の内的同一性が問われているのである。 |
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