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1、光の色。



背景が白いのは光の色である。強い光の明るさが背景を白くしているのである。シロ色の光の中から、いろんな色が浮かんできて飛び出してくる。

出るしかないのである。精神は自己にめざめたたのである。もはや、
中にとどまっていることは出来ないのである。自分はだれで何であるかを探し求めて出てゆくしかないのである。

すべての色を含むのが光であり、そして光はすべての色を照らし出す。だから、光自体に色はなく、あるのは明るさだけなのである。そしてこの明るさというのが白(しろ)色でもって表現されたのである。

すべての色を含む色というのは特別の色だ。人の視覚といったものが、もっとも感じやすい帯域を集めた、標準的で基準となる色ということだ。あるいは座標上のゼロの位置を定めたものだ。

だから白というのは何かの色というよりも、色とは別の明るさであって、透明な光の強さを表しているように思えてくる。だから、まぶしい時、めまいのする時の目の中の色は、白色なのである。


 戻る。              続く。

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