index < 日誌 <v夢の中< 「夢の世界」p6/ |
気まぐれと思いつき、そして果てしのない思い込みの世界。確かなものなど何一つ無い世界。確かだと見えても、それがいつも変わり移って行くのである。なぜか? 自分と他人の区別がないからである。そうしたケジメの無い世界、それが夢の世界である。 夢の世界の中でも、自分の考えというのは確かにあるのではあるが、いつの間にか、自分が他人になっていたり、あるいはまた、他人の中に自分が入り込んでいて、他人が自分になっていたりする。そうした、自分と他者との区別のない世界なのである。 気まぐれとわがまま、なんの理由も目的もなく、情緒と感情のおもむくまま、気分の移り気だけが支配する世界である。なぜなら、自分以外のだれからも指図や制約を受けないからである。自分以外のだれも存在しない世界だからである。そうしたケジメの無い世界、自己と他者の区別が限りなく不明瞭であいまいな世界である。 だがしかし、この不明瞭であること、自己というのが限りなく曖昧(あいまい)で識別しづらいものであることは、なにも夢に限ったことではない。人間が生きている現実の世界そのものが、そうであると言える。 |