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5、カタチ。



それは、そこに生きる人間の、肉体の生理の機能とその特性、そしてその感じ方や生き方として表現され、型式のパターンとして現実の中にすがたを現わしている。

精神の作用や反作用、反発や抑揚、そしてそのリズム。情熱や、あこがれや、恐れといったもの。戸惑いや驚愕、叫びといったもの。それらが目に見えるカタチとなって、現実におどり出てくるのである。

そして、それらを支配し規制しているのが、文化と自然条件が作り出した人間の心の持ち方といったものなのである。それは空想でも神様が与えてくれたものでもない。それは風土という、事前に設定された条件の中にあって、その中から押し出され浮かんできて、そしてそれがカタチとなったものなのである。

型式やパターンとして定形化されてきたものなのである。慣れや習性、習慣、常識などとして方向づけられ定められて来たものである。秩序づけられ条件付けられて形式となったものなのである。

文化と自然環境が人間と作用し合い、交錯し、織り合わされて、それがパターン化し、リズムとなり、形式となって定着し、固まって境界線を持つに至り、一つの精神のカタチとして形成されたのである。そしてそれが、一つの文化の型として成立したのである。


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