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しかし、それはまた、意識されざる方向性でもあって、意識される目的や意図とは別の、人間の肉体の構造や仕組みそのものから来る方向性でもある。人間の意識ではなくて、人間が生きている自然条件から制約されてくる方向性である。 あるいはまた、蓄積され条件反射と化した、肉体の生理の作用や律動のパターンがそうである。直接的な遺伝とは別の、その社会が持つ文化がもたらす傾向もまたそうである。馴れや習性、好き嫌いの傾向といったものもそうである。 それらは人間の意思とは無関係の、人間の肉体と自然環境から求められ、導かれ、あるいは、そうせざるを得ない、それしかないような選択肢、つまり、方向性なのである。それは、人間の意思とは関係のない偶然と、自然環境からくる必然の結果であり、肉体そのものが持つ傾向、内的な指向性なのである。 |