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みんなと違うということは、頭の中で何かほかのことを考えているからであって、みんなが正しいはずなのに、心の中でほかのことを考えているのは、何か悪いことでも考えているのに違いないのであって、だから、そうした人間に対しては、事あるごとに注意して監視してシッポをつかまえて排除しなければならない人間なのである。 それは、現在のシステムにとって有害であるという意味で、正にその通りなのであって、自分たちのシステムと秩序を守るという意味で、本能的にそのような行動をとるのである。異物を排除するという行動を取るのである。 しかしそれでは、現在のシステムが有害で間違っている場合、それは異質を排除しようとする側が害悪なのである。だからシステムは外から見なければ、見えて来ない。事の良し悪しも判定も出来ない。外から客観的に見る立場から、つまりシステムの外、システムから断絶したところから現実を見なければならない。それが出来る人間だということである。そうした意味で、精神が、社会の外を自分の住処(すみか)としている人間なのである。 このような人間は、正に異質な存在なのであって、システムに依存しないタイプなのである。正確に言うと、依存したくても出来ない、もともとそういうタイプの人間なのである。 何か、自分の外の絶対的な権威を基に考えるのではなくて、それ以前に自分で、自分自身の中で考えて判断している人間なのである。思考の拠り所、思考の中心というのが、自分の外にではなくて、自分のなかにある人間なのである。自分と他者が明確に区別されている人間である。 または、そうした区別なしには生きて行けない、そうした境遇に居る人間のことである。そうした意味では、それは社会のシステムの必要が作り出したものと言える。 |