index < 日誌 < as同一性< 「内的同一性」p6/


 
1、文化と自然。



人間は何かを考える以前に、何かしらの感情が働いていて、そしてその感情は、自分自身の情緒のなかで、情緒を通して行われる。様々な、変化しながらも移りゆく感情の起伏や抑揚、リズムといったもの。そして変化する感情のあり方といったもの。気質や気性といったもの。こうしたことが情緒ではないだろうか。

そうしたことは、それが形成されてきた民族集団の風土、すなわち、人間が生きている自然環境、地理や気候、歴史や文化と密接に関連していて、それがこうした感情のあり方、情緒というものを形成してきた条件であり、必然性であり、そしてまた、これが制約し条件づけてきた必然の結果であると思えてくるのである。

様々な民族を特徴づける気質や気性といったものがそうである。それらは、その民族が生きてきた風土の中で生まれ、形成されてきたものなのである。それには、人間が生きている現実の条件が反映されているのである。人間はそれを意識することなく、それに支配され、制約され、方向づけられてきたのである。これが、人間が生きて生活してしている、現実の世界なのである。


履歴へ             続く。

index < 日誌 < as同一性< 「内的同一性」p6/