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1、象徴。



人間はどこかで夢を見ている。ある意味で夢の世界を生きている。夢がなければ何をやってもダメだ。夢とはイメージと象徴の世界である、あるいは本能とか衝動の世界なのかも知れない。

けっして届くことのない、はてしなく永遠で、限りないものを夢見ている。夢とはつまり、祈りであり、願いであり、あこがれである。そうした果てしのない夢の世界を私たちは生きている。

そして夢は、それを象徴する何らかのイメージとして現実の世界に映し出される。それは自分の思いというのが、外の世界に反射して映し出されるのである。そして、そのように見えてくるのである。

だから、何の変わり映えのしない、どこにでもあるようなものが、見る人によって天使にも悪霊にも、その他なんにでも見えてくる。それが象徴とイメージの世界なのである。

それは自分の思いというのを外の世界に探し求め、たしかめようとしているのである。そうやって自分を見つけ、自分自身というのを知ろうとしているのである。自分はだれで、どこにいて、どこからやって来て、どこへ行こうとしているのか、そしていま、何をしていて、自分自身の正体はいったい何なのか? などといったことである。

しかし、正直に言うと、そんなことはどうでもよいことで、ホントを言うと、自分とはたいして関係のないことなのである。そんなことは理屈なのであって、コトバの上の遊びに過ぎないのである。どうでもよいし、どうにでもなるし、仮にどうであったとしても、自分とは直接関係のないことなのである。


履歴へ             続く。

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