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4、問い。



まるで、得体の知れない幼虫が精神の中に巣を作っていて、それが成長し繁殖して、精神をむしばみ破壊してゆくのである。自分の中から、自分が自分で無くなって乗っ取られてゆくのである。

まるで、夢の中で金縛りになったように、自分のことなのに、自分ではどうにもならないのである。だから、やはり外へ出てゆくしかなく、そうやって自分というのを問い続けるしかないのである。

永遠のあこがれや願い、そうした、およそ夢といったものは、まさにこのことなのであって、楽しくて、自分から進んでその世界に入ってゆくのではないのである。まことに仕方なく、そうするしかなく、それ以外になく、実にイヤイヤ、シブシブながらもそれしかなく、入ってゆく以外に自分が生きて行く余地が無いというのが実情なのである。

何かに誘われて、導かれて、自分を発見するのではない。いまいるところで、もはや生きて行けなくなって、ムリヤリ押し出され、追い立てられて、袋叩きに合いながら、仕方なく自分を問い始めるのである。


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