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それは、この職場のレイアウトを設計した人間の意図とも、そしてまた実際に、そこで事務する彼女や、僕たちの意思とも全然関係のないことなのである。それは、そうなるしかない「レイアウト」なのである。言い換えれば、人間が生きている自然環境、人間を包んでいる「空気」といったもので、意識されることのない肉体の、そして感覚の感じ方の世界なのである。 それは、目に見えるものの色や形の輪郭、空気のニオイ、暖かさや暑さ寒さ、それに湿気や明るさ暗さなどといったものと、密接に関係している。というよりも、むしろ、それが決定的な要因となっている。 無意識の内に人間は自分を取り囲む世界に支配されていて、方向づけられているのである。水の中で生きる「魚」のようなものである。「空気」が人間を支配している。そしてそれが情緒であり、感覚の感じ方といったものなのである。 人間の肉体と感覚がそのように覚えているのである。人間は何かを意識する以前に、そうした感覚の世界を生きていて、そしてそれに支配されている。このような条件と前提のもとに意識や思考といったものが成り立っているのである。 人間は、自分を包み取り囲んでいる自然条件に支配されていて、この自然環境の中を生きていて、そしていままでも、ずっとそうであり続けたし、いまもそうである。そしてこれからも、それを基にして生きて行くことになる。 それは、人間が生きている、意識されざる前提条件なのである。それなくして存在し得ないのである。それが、あまりに当然過ぎて、当り前なことなので、だれも気にしないし、それを意識することもないのである。 しかしそれは、人間が生きている、そしてまた生き続けるための条件なのである。空気や水や重力などと同じものなのである。そして、そうした当り前のことが姿とカタチを変えて人間を包んでいて、そして支配し、規制しているのである。言い換えると、気持ちの悪い言い方をすると、導き、方向づけ、宿命づけているのである。 |