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業務の必要から意図され計画されたレイアウト、その効率的で合理的なレイアウトの上で、それを無視して全然別の異質な世界のレイアウトが出来上がる。現実の物理的レイアウトから精神のレイアウトが出来上がる。現実の身体の動きや、周りとの位置関係から人間同士の感情や情緒の固有なリズムが生み出される。 意識されることも、自覚されることもない無意識の世界のレイアウト、意識されることのない観念の世界のレイアウトが生成されてくる。そして出来上がる。人間は生きて行く上での理由が必要なのである。情緒や感情、気持ちや雰囲気が必要なのである。 自分が生きているという存在の理由がどうしても必要なのである。そして自分の情緒といったものも、そしてまた、自分が社会とのつながりの中で生きているという、そうした雰囲気や気分といったものが、どうしても必要なのである。 そうした精神のレイアウトといったものが、現実の職場のレイアウトの中で、それを無視して、それとは無関係に生成されてくる。知らぬ間に、気づくことなく、意識されることもなく、出来上がってしまうのである。それが人間というもので、情緒や感受性というものである。 それは職場の上下関係や定められた人間関係とは別のものである。人間の感覚が自然に生成するその場の「空気」、雰囲気とでもいったものである。そしてそれは人間にとっての無意識の情緒の世界を作り上げる。それは人間にとってのバランスであり、指向性であり、必然性なのである。 |
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