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「直接光」とは、要するに太陽からの直射光のことである。太陽、つまり光源が直接ものを照らしている状態である。 そうでないもの。例えば、昼間の分厚い雲り空の下の、直射光が届かない、大気と地表面の間で乱反射をくり返した光が照らし出した世界。もっと言えば、水面も、空気も、建物も、人間も、それらが物体である以上、すべてが光を反射しているのである。そうやって、太陽光から放射された光が直接にではなくて、乱反射を繰り返して、様々な角度から間接的に照らしだしているのが「間接光」である。 だからまた、間接光の世界は、光がおだやかに拡がっていて、弱く、明暗の幅(諧調)が狭く、コントラストも弱く、陰影がぼやけていて、何かうすぼんやりした印象を受けるのである。そしてこの薄ぼんやりというのが、見た感じだけでなく、それから受ける印象も、そしてそれが象徴するものもまた、薄ぼんやりしているのである。奥行がなく現実感に乏しいのである。 |
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