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12、内的同一性。



古代ギリシャの場合それが、既存の社会システムが破壊され、文化と自然条件の拘束から追放(又は解放)された、自由な個人たらざるを得なかったというところに、またそれを可能にする条件といったものが揃っていたというところに、その民族としての、そしてまた同時に、地理的・文化的傾向と特徴があったのである。

精神の活動が、ギリシャの自然と本質的に関係するように制約され条件付けられていた、というところに古代ギリシャの自然環境の本質的な特徴があったのである。

これは、ひとことでいうと、自己の内的同一性のことである。自己の身体、感覚や感受性、情緒や気分といったものが統合された一体性・継続性・同一性のことである。自己の内的必然性、自己のの自律した鼓動のリズムのことである。

それへと向かい、それを目指さざるを得ないのである。そうしてのみ自己が自己として世代を超えて保存され残り続けるのである。つまり「種」として、あるいは民族のタマシイとして意識されてくるのである。自らの存在理由となり得るのである。

そしてそれ自体になんら互換性がないのである。だからまた、同一性たり得るのである。自分にしかない自分だけの、自分だけで完結している自己の内的必然性、存在の理由たり得るのである

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