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2、届かない。



「水色」は、けっして届くことのない何かを追い求め、願い、そして祈り続けるようなそんな色だった。かといって、優しく包んで抱いてくれる、そんな親しい色でもなく、もっと理知的で、内省的で、どこか沈んだようなそんな色であり続けた。

なぜか理由もなく気になり、惹きつけられ、吸い込まれ、引きずり込まれて行く、そんな「色」である。にもかかわらず、けっして届くことがないというのが始めからわかっている、そんな色なのである。

それは、現実に見える水色の世界に、自分自身の精神の世界を見ているのである。けっして届くことのない自己の永遠の世界を見ているのである。誘われ、導かれ、そして自分でも気づかないまま、それへと引きずり込まれてゆく。そしてそれは、僕がのぞみ、求め、欲して、そして祈り続けたものだったのである。

戻る。            続く。


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