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4、道。


何かが自分のなかで見い出され、めざめ、自覚し始めたのである。そしてそれが、自らの姿とカタチを求めてさ迷いだしたのである。いまにも壊れそうになりながら。だから現実へ、なにかしらのカタチとなって、あるいはイメージや、リズムや、音や、コトバや、そうしたなんらかのカタチとなって、自分を表現するしかなかったのである。

そうやって、自らを表わして行くしかないのである。そうしないと自分というのが破壊されてしまう。自分の心や精神といったものがもたないのである。維持できずに空中分解して壊れてしまうのである。だから、これを何らかのすがたカタチとして現実の世界に向けて表現して行くしかないのである。表現しなければならないのである。そうしてのみ、ぼくは救われたのである。

これは僕自身の精神の必然性であり、バランスであり、そしてこれが生きて行く方向性なのである。自分にとっての、限りなく制約された「生きて行く道」なのである。そうしてのみ、僕は、僕の精神を生き続けることが出来るのである。

戻る。                     続く。


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